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【キブンの時代】第1部 考えはどこに(5)ブームに乗せられる (産経新聞)

 ■情報過多「もちもち」になびく消費者

 単品で年5億円を売り上げれば大ヒットとされる「ふりかけ」で、昨年6億円を売り上げた商品がある。ミツカンの「おむすび山 赤飯風味」。振りかけると、ご飯が赤飯風味になる。

 この商品のキーワードが「もちもち感」。ミツカン広報の浦本五郎(41)は「もちもち感には、ひと手間かけたというイメージがある。折からのもちもちブームにうまく乗った」という。

 もちもち感−。おむすび山だけでなく、ここ2、3年のヒット食品に共通する食感だ。パン、うどん、ケーキ、納豆、たい焼き…。

 「“もちもち”がいい、となれば皆がそれになびいてしまう。今の消費者は『意識』ではなく『気分』で動いている」

 電通総研・消費の未来研究部長の四元正弘(49)が消費者心理を解説してくれた。

 「この10年来、個人の処理能力を超える量の商品や情報があふれかえるようになった。逐一、物事を詰め切って考えることができないから、表層的な情報を元に『気分』『直感』で動くしかない」

 多くの人が「もちもち感がいい」と言っていると聞けば、とりあえず、なびいてみる。多くの人がなびけば、さらに多くの企業がもちもち感の商品を投入する。気分と供給の相乗効果だ。

                  ◆◇◆

 消費の表舞台に「気分」という言葉が華々しく登場したのは昭和51年。セブン−イレブンのコマーシャルだったといえる。

 ♪セブン、イレブン、いい気分〜♪

 同社広報では「品ぞろえ、清潔さ、接客対応などを充実させることで、店に来たお客さまにいい気分になってもらうという思いを込めたフレーズだ」と説明する。

 コマーシャル登場から30年。「いい気分」の提供にこだわり続けてきたセブン−イレブンは全国に1万2千店を展開するコンビニ業界の雄となった。店舗数の増加が、消費の世界における気分の重要性の増大に重なってみえる。

 四元の所属する電通では、消費者の意識を調査し、隔月で発行していたリポート「消費実感調査」を、昨年春から季刊の「消費気分調査」というタイトルに変えた。「より周囲の雰囲気に乗せられた気分でモノを買う、最近の動向に合わせて」(四元)だという。

                  ◆◇◆

 飲食店の店舗戦略からメニュー開発までを考えるフードプロデューサーの小倉朋子も消費者の気分の大切さを痛感する一人だが、一方で気分のままの消費行動に不安も感じている。

 BSE(牛海綿状脳症)や毒ギョーザ事件、食品偽装など食の安全を脅かす問題が相次ぐなか、消費者はより詳しい情報を求めるようになっている。

 牛肉なら「国産」という情報だけでは足りない。生産地はどこか、生産者は誰か、牛の飼料は何を使っているか。

 「でも、企業側から提示された情報を受け取るだけ。消費者自らが勉強したり、調べたりはしない。安全という気分になるための理屈づけがほしいだけではないか」

 四元も同じような懸念を口にする。

 「消費者が判断材料とする情報が表層的でも、善意の情報ならばいい。でも、悪意のある情報が提供され、消費者の気分が乗っかってしまう危険性だって十分にある」

(敬称略)

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